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考えるコンピュータと私

 最近のPCはCPUの性能が早くなり処理能力も高くなりましたが、10年前くらいのPCでは複数のプログラムを実行しているとまるでPCが考えているように見えることもありました。さてコンピュータは考えることができるのでしょうか?

 今から20数年前、1985年頃にコンピュータ業界ではあるブームが起きました。それは「人工知能(Artificial Intelligence、AI)」といい、すぐにでも「考えるコンピュータ」が実用化され、新しいコンピュータが出現するのではというものでした。確かにそのブームの以前から人工知能は米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)スタンフォード大学でずっと研究が続けけられており(現在でも研究中であり)いづれはそのような考えるコンピュータが出現することになるでしょう。でもその頃はAI研究の成果が出始め、コンピュータ業界がその実用性に着目しビジネスに結び付けられるのではということで研究投資が行われました。

 米国のXerox社のパロアルト研究所 (Palo Alto Research Center、通称 parc)は多くのコンピュータ研究者を数多く集め当時最先端のコンピュータ研究を行っておりました。現在のラップトップPCのハードウエアのアイデアとしてアラン・ケイ氏のダイナブックの概念、ソフトウエアとしてのSmalltalkというオブジェクト指向言語の開発、Altというワークステーションの原型、マウスプルダウンメニューなどの素晴らしいユーザーインタフェース、スプレッドシートワードプロセッサーなどのプログラムの研究、イーサネットなどネットワークの研究など、現在のPCのハードウエアとソフトウエアを両方研究しており、そのまま行けば、もしかしたIntel、MicroSoft、AppleもXerox社の1部門の商品であったかも知れません。ここで開発されたInterLispというLisp言語(というよりは開発環境)やSmalltalkというオブジェクト指向プログラムなどは、実用というよりまだ研究段階に近かったのかも知れませんが、Xerox社のワークステーション(Dマシン)といっしょにマーケットに投入されました。日本でこの事業を始めるにあたり日本国内でも研究開発が進められ、コンピュータのいろいろな業界から営業や技術者が集められました。AIを研究するところは、大学、大手企業の研究部門やシステム部門、大手ソフトウエア企業などほぼすべての業種に営業活動が行われ、産業界ではエキスパートシステムに注目が注がれ新聞や雑誌にその多くの成功例などが載っていました。しかしながらこのブームはハードウエアやソフトウエアの限界からか数年間で鎮まり、、当初夢見られたような、「考えるコンピュータ」はまだ実現できないことが明らかになってきました。その後ファジーやユーザーインタフェースの向上、ソフトウエア工学の進歩へは貢献したと思います。当時AIに集まった人は、私も含めて、営業も技術者もコンピュータに夢を見て、「計算機械」から「人工知能」への実現を夢見たのではないでしょうか?

いづれこのような「考えるコンピュータ」は幾度かのAIブームを経て実現されることでしょう。

 

「人工知能(Artificial Intelligence、AI)」 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 


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